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膜状凝縮

film condensation

 蒸気が低温の固体面上で凝縮する際,凝縮液が固体表面をよくぬらして面上に広がる場合を膜状凝縮と呼ぶ.膜状凝縮は,蒸気タービンプラントの復水器などの凝縮装置において,もっともふつうに見られる凝縮形態である.平板上あるいは水平円管外面上での膜状凝縮熱伝達についての理論解析は,今から約80年前にヌセルト(1882-1957)によって初めて行われた.その解析の結果は現在でも十分役立つものである.膜状凝縮における伝熱抵抗としては,次の三つを考慮する必要がある.①凝縮液膜内の熱伝導および対流熱伝達に対する抵抗,②気液界面における物質移動による抵抗,③蒸気相内の成分濃度分布による物質移動の抵抗.これらのうち②は,低圧の金属蒸気の凝縮の場合にのみ重要となる.③は,単一成分蒸気の凝縮では問題にならないが,多成分蒸気の凝縮では大きな影響を持つから,その場合には蒸気相内の対流物質伝達についての解析が必要となる.垂直平板上の層流膜状凝縮では,凝縮液膜の厚さは平板上端からの距離の四乗根に比例して増加するから,単一成分蒸気の膜状凝縮熱伝達率は,先端からの距離の四乗根に反比例して減少する.また,平板全体での平均熱伝達率も平板の高さの四乗根に反比例する.同様に,水平円管外表面での膜状凝縮の平均熱伝達率は管径の四乗根に反比例する.