ユーザ用ツール

サイト用ツール


臨界点

critical point

 高圧液体を等温場で膨張すると,圧力の減少にしたがって比体積が増加し,飽和蒸気圧に達すると蒸発が始まる.この相変化において,共存する飽和蒸気と飽和液体の比体積の差は,温度の上昇とともに減少し,ある温度以上に達すると相変化が起こらず,圧力の減少に伴って高圧液体の性質から低圧気体の性質に連続的に変化するようになる.この飽和蒸気と飽和液体の比体積が一致する状態を臨界点といい,気液二相が存在しうる最高の温度・圧力の臨界状態である.このときの温度,圧力,比体積をそれぞれ臨界温度臨界圧力,臨界比体積といい,総称して臨界定数という.密度は比体積の逆数であり,臨界比体積のかわりに臨界密度が使われることが多い.臨界温度,臨界圧力よりも高い温度・圧力の均一相の状態を超臨界状態という.臨界定数は,物質の熱物性値を推算する際の重要なパラメータである.

10/1013527.txt · 最終更新: 2017/07/19 08:49 by 127.0.0.1