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スクラムジェットエンジン

scramjet engine, SCRAM-jet engine

 ラムジェットのうち,燃焼器内流れが超音速である形式をさし,超音速燃焼,supersonic combustionの頭文字を冠して標記のとおり呼ばれている.その意図するところは,以下に示すようにラムジェットの作動飛行マッハ数上限の拡大にある.後者では,インテークで超音速空気流を亜音速まで減速させる.これは大きな静温と静圧の上昇および総圧損失を伴い,その程度は飛行マッハ数が高いほど大きい.静温が過大になると,燃焼生成物の解離を生じ燃料のエネルギーが有効に取出せなくなり性能低下を招く.総圧損失も性能低下と結びつく.ラムジェットの作動上限を決定するこの性能低下は,減速の程度を超音速流が維持できる程度にとどめ,過大な静温上昇,総圧損失をおさえることにより緩和できる.これが「スクラムジェット」である.性能には燃焼器での総圧損失も影響するが,その程度は逆にインテークでの減速を亜音速までとしたほうが少ない.したがって,スクラムジェットが性能的に有利となる作動飛行マッハ数下限(およそ6)が存在することとなる.これらとは別に,スクラムジェットでは減速を超音速までに維持するため,静圧の過大な上昇もおさえられ,エンジン構造材の熱的,強度的負担も緩和される.両者の守備範囲を有効に利用できるように,一つのエンジンで飛行速度が増すに従い燃焼器内の速度を亜音速から超音速へと切換えるデュアルモードラムジェットエンジンも検討されている.