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蒸気タービン

steam turbine

 蒸気の持つ熱エネルギーを,蒸気を膨張させることにより速度エネルギーに変換し,さらに回転エネルギーに変換させて機械的仕事を行う原動機.
紀元前120年頃にエジプトのヘロンが考案した蒸気球が最古の蒸気タービンの記録である.近代の蒸気タービンは,1982年にスウェーデンのド・ラバルが機械駆動用として実用化したのが始まりで,さらにイギリスのパーソンスが1884年に発電用の蒸気タービンを完成させている.
蒸気タービンは,出入口の蒸気状態,蒸気の状態変化,蒸気の流動方向,被駆動側条件,形式などにより多くの分類方法がある.
出口の蒸気状態により,復水タービンと背圧タービンに分類される.復水タービンでは,蒸気を復水器の真空状態まで膨張させる.単位蒸気流量当たりの仕事量が多く,発電用,船舶用,工場補機駆動用として広く使用されている.これに対して,産業用で動力とともに作業用の低圧蒸気を必要とする場合には,背圧タービンが用いられる.ボイラからの高温高圧蒸気は,タービンで所要の作業用圧力まで膨張させて動力を得たのち,その排気を作業用に用いる.また,入口蒸気状態により非再熱タービンと再熱タービンに分類される.
蒸気の状態変化による分類では,反動タービンと衝動タービンがある.反動タービンでは蒸気が静翼・動翼でおおむね同等の膨張をするが,衝動タービンでは主に静翼で膨張が起る.
蒸気の流動方向による分類では,軸流タービン,半径流タービン等があるが,現在では軸流タービンが主流となっている.この軸流タービンにおいて,タービン軸が一つのもので車室が複数あるものを単軸くし形タービンと呼ぶ.これに対してタービン軸が二つ平行に並べられているものを並列形蒸気タービンと呼ぶ.
被動機側の用途により,発電用タービンと機械駆動用タービンに大別される.
図に,発電用600MW単軸くし形再熱蒸気タービンを示す.高圧段中圧段低圧段から構成されているが高圧段と中圧段は一つの車室に入る高中圧一体形で,低圧段は二つの車室からなり合計で三車室構造となっている.ここで,ボイラからの高温高圧蒸気は高圧第一段に流入し,高圧排気からボイラへ戻る.ボイラ再熱器で再熱された蒸気は再熱蒸気入口から中圧段へ流入し,中圧排気へ抜ける.さらに中圧排気からクロスオーバ管を経て二つの複流低圧段へ流入し復水器へ至る.途中数箇所の給水加熱用の抽気があり,再生サイクルを構成している.
蒸気タービン本体は,静止体と回転体で構成される.回転体はタービン軸とタービン軸に組込まれる動翼などから構成される.静止体はノズルまたは静翼,仕切板,ケーシング,軸受,バルブなどの制御機器などで構成される.このタービン本体以外に,油タンク,油ポンプなどの潤滑油機器,グランド蒸気機器,各種保安装置など数多くのタービン補機がある.

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