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テレイグジスタンス

tele-existence

 人間が現在実際に存在する空間とは別の空間にあたかも存在するような感覚を有して行動することを可能とするための技術.別の空間で三次元感覚(臨場感),実時間インタラクション,自己投射性の三要素を有して自在に行動できることを特徴としている.そのために,人間の行動を実時間で計測し,それを用いてロボットないしはコンピュータの生成する仮想人間を人間の意のままに制御し,人間は,ロボットや仮想人間の感覚器からの情報を臨場的に受容するメカニズムを構成する.1980年に我が国から生まれた概念で,通産省の大型プロジェクト「極限作業ロボット」の研究開発計画の一つの大きな柱の役割を担った.テレイグジスタンスの概念と試作された最初のシステムは1982年に計測自動制御学会で発表された.一方,アメリカでは1983年に発表されたアラミスの報告書の中で同様の概念が提案され,テレプレゼンスと呼ばれている.なお,バーチャルリアリティ(VR, virtual reality)は,人間の存在する物理空間を,コンピュータの生成する本質的な部分では実体化されたバーチャルな空間に置換える技術であり,テレイグジスタンスと同等の概念を別の観点から表している.ロボットを媒体として,人間が現在存在しているのとは別に存在する実空間へのテレイグジスタンスと,コンピュータ等の生成した実際には存在しないが極めて現実感あふれる仮想空間へのテレイグジスタンス,およびコンピュータの生成した仮想空間を介して実空間にアクセスする仮想空間介在型テレイグジスタンスとに分かれる.現在その工学的実現可能性が理論的にも,また実際のハードウェアシステムによる実験からも実証され,基本システムの設計法が明確になっている.