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磁気テープ

magnetic tape

 プラスチックのベースフィルム上に磁性膜を形成した磁気記録媒体.ベースフィルムにはPET,PENなどの素材が使われている.磁性粉を塗布して磁性膜を形成する塗布形テープと蒸着で磁性膜を形成する薄膜形テープに大別されるが,2019年現在も生産が続けられている塗布型について説明する.記憶装置の大容量化・高性能化に伴い,磁気テープには高密度記録とテープ厚の薄手化によるテープの長尺化が必須である.高密度化には(1)磁性粉の高保磁力化,高飽和磁束密度化,(2)塗布膜厚の薄層化,(3)磁性粉の微細化,(4)表面の平滑化などの方法がある.(1)についてはまず針状γFe2O3が実用に供され,次に保磁力を高めたコバルト被着型γFe2O3が用いられた.その後飽和磁束密度も高い針状合金磁性粉が開発された.最近は新たにバリウムフェライトも実用され始めたが別項で説明する.(2)に関してはLTO(磁気テープ装置を参照)を例に説明するとLTO-1の塗布膜厚は200 nmであったがLTO-7では50 nmに薄層化された.(3)に関してはLTO-1の磁性粉の平均体積は約3,000 nm3もあったがLTO-7では1600 nm3に微細化された.記録密度が高くなるほど実効スペーシング(磁気ヘッド表面と磁性膜表面との距離)の影響が大きくなる.そのため記録媒体の平滑化(平均面粗さRaを低減する)も重要である.LTO-1のRaは5.3 nmであったがLTO-7では1.8 nmに平滑化された.テープ厚の薄手化については1953年に初めて実用された磁気テープの厚さは48 μmもあったが,LTO-7の厚さは5.6 μmで,約1/9に薄手化されている.