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磁気テープ装置

magnetic tape unit

 記録媒体の磁気テープに磁気ヘッドでディジタル情報を記録・再生する磁気記録装置.音声,映像を記録するオーディオテープレコーダ,ビデオテープレコーダと区別し,コンピュータ用外部記憶装置としてディジタル情報を記録する装置を指す場合が多い.磁気テープを巻取る供給リール,巻取りリール,磁気テープを駆動するキャプスタン,磁気テープの張力を検出するテンションセンサ,磁気ヘッド,機構・回路系よりなるテープ走行系,コンピュータとの信号のやり取りを制御したり誤り訂正等を行うコントローラで構成される.磁気テープ装置の主な用途は磁気ディスク装置のバックアップ,大量データのアーカイブ(1次保管)である.磁気テープ装置は記憶容量やその性能から,ハイエンド用(エンタープライズとも言う),ミッドレンジ用,ローエンド用に3区分される.1950年代に初めて製品化された磁気テープ装置はハイエンド用で,オープンリールの磁気テープを搭載した装置で,テープ幅は1/2インチ(12.7 mm),記憶容量は4.8 MB(メガバイト)であった.1980年代になるとカートリッジに収納された磁気テープを搭載した装置が開発され,記憶容量も200 MBに増大した.またミニコンやオフコンをターゲットに,8 mm幅テープを使用するデータ8mm,6.3 mm幅テープを使用するQIC(quarter-inch cartridge),3.8 mm幅テープのDDS(digital data storage)などが製品化された.データ8mmとDDSは,ヘリカルスキャン形の回転磁気ヘッドが使用された.また,1990年代には記憶容量40 GB(ギガバイト)の装置が開発されたが,磁気ディスク装置の大容量化の進展に追従できず市場は低迷した.この状況を打破すべく装置メーカ3社が共同でオープン規格のLTO(linear tape-open)を開発した.2000年に第1世代のLTO-1が出荷されたが記憶容量は100 GBであった.各社間の互換性が保証され,2~3年周期のロードマップが開示されたことで市場に安定感を与え,現在磁気テープ装置のデファクトスタンダードになっている.2017年に出荷されたLTO-7の記憶容量は12 TB(テラバイト)に達する.磁気ヘッドは32個の記録再生素子が搭載され,パラレルにディジタル情報の記録再生を高速に行う.LTO-12までのロードマップが開示されている.LTOはハイエンドとミッドレンジのいずれもカバーするが,ハイエンドは専業2社がロードマップを開示し,製品化を継続している.カートリッジの開発を契機に,カートリッジを収納棚から磁気テープ装置に自動装填し,記録再生するテープオートメーションが進んだ.これらの機能を持つ装置を磁気テープライブラリという.種々のライブラリーがあるが,数百台の磁気テープ装置と最大10万巻のカートリッジを搭載した大規模磁気テープライブラリーもある.