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シンクロトロン放射光(SOR光)

synchrotron radiation

 真空中を光速に近い速度で運動する荷電粒子(電子や陽電子)が磁場でその軌道を曲げられる時,接線方向に放出される極めて指向性の良い白色の光をいう.宇宙空間の星では光速に近い速さの電子が放射光を放出していることは知られているが,人工的に放射光を初めて観測したのはGE社の電子シンクロトロン(円形加速器)であったため,シンクロトロン放射光(SR)と呼ぶ.日本ではSOR(synchrotron orbital radiation)と呼んでいる.この光は制動ふく射で放出されるため連続スペクトルを持ち,相対論効果により発散角が極めて小さくなり,その輝度も従来のX線源に比べて4けた程度高い.また,磁場による軌道曲げのため,放射光の電場ベクトルが偏向するという偏光性を持ち,さらにパルス性などの優れた特長を持つ.SOR光のエネルギーは電子の運動エネルギーの二乗に比例し,また磁場の強さに比例するため,大型SORリング(電子の運動エネルギーが数GeV)ではガンマ線までの電磁波が得られ,産業用に開発された小型リング(数100MeV)では真空紫外線から軟X線までのSOR光が得られる.