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浮動ヘッド

flying head

 気体潤滑の原理により,走行する記録媒体上に微小なすきまを介して浮上する磁気ヘッド.リジッドな媒体を使用する磁気ディスク装置,磁気ドラム装置において,非接触の相対運動を実現するために使用される.磁気ディスク用では平面スライダの流入側の一部にテーパを形成したテーパフラットスライダが一般的である.ヘッドはジンバル機能を持つばね(ヘッドサスペンション)に支持され,片持ばねによりピボットを介して押圧されて,接触したままで起動停止を行う(コンタクトスタートストップ).スライダの材料としてはフェライト,セラミックス(Al2O3・TiC,CaTiO3)が一般的である.記録密度を高めるためには,すきまを最小にすることが必要であり,標準形(長さ4mm,押圧力95mN,浮上すきま0.2~0.3μm)を小形化したマイクロ形(同2.8mm,60mN,0.1~0.2μm),ナノ形(同2mm,35mN,0.05~0.1μm)が実用化されてきた.微小すきまの気体潤滑膜では,気体の粒子性の影響が顕在化するため,浮上特性の解析には分子運動論に基づく潤滑理論(修正レイノルズ方程式,分子気体潤滑方程式)を適用する必要がある.

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15/1011317.1500421790.txt.gz · 最終更新: 2017/07/19 08:49 by 127.0.0.1