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デリャーギン近似

Derjaguin approximation

 微小な距離 \(D\) だけ離れた半径 \(R_1\),\(R_2\) の二つの球面に単位面積当たり \(p\left(z\right)\) の相互作用力が作用しているとする.ここで \(z\) は局所的な球面間の距離である.\(D\) および \(p\left(z\right)\) の作用範囲が球の半径に比べて十分小さい場合には,球面間に作用する合力 \(F\left(D\right)\) は,幾何学条件から

\( F\left(D\right) = 2{\pi}\left(\frac{{R_1}{R_2}}{{R_1} + {R_2}}\right) \int_D^{\infty}p\left(z\right)dz = 2{\pi}\left(\frac{{R_1}{R_2}}{{R_1} + {R_2}}\right) W\left(D\right) \)

で与えられる.ここで \(p\left(z\right)\) の積分項は,相互作用圧力 \(p\left(z\right)\) をもつ二つの平面を無限遠から距離 \(D\) まで接近させたときに得る単位面積あたりの仕事 \(W\left(D\right)\) に相当する.これはDerjaguin (1934) により初めて示されたので,デリャーギン近似と呼ばれる.この式は,球面間相互作用力と平面間相互作用エネルギーとの関係を示す式であり,付着エネルギー \(W\) をもつ面が接触したときの付着力を求める式でもある.平面 \(R_1 = {\infty} \) と \(R_2 = R \) の球が接触する場合には \( F = 2{\pi}RW \) となる.表面エネルギー \({\gamma}\) をもつ同じ材料が接触する場合 \( W = 2{\gamma} \) なので,\( F = 4{\pi}R{\gamma} \) で表される.ファンデルワールス圧力による付着力をハマーカー定数から理論的に計算することが困難な場合には,この式に基づいて実験で測定した表面エネルギーから付着力を求めることができる.