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ラプラス圧

Laplace pressure

 平衡状態における液体表面が曲率をもつ場合には,表面を横切る液体の内部と外部に圧力差が発生し,ラプラス圧と呼ばれる.ラプラス圧は,液体の分子間力ないし液体の表面張力に起因しており,\({\Delta}P = {\gamma}\left(\frac{1}{R_1} + \frac{1}{R_2}\right) \)で与えられる.ここで,\({\gamma}\) は液体の表面張力,\(R_1\) と\(R_2\) は液体表面の法線を含み互いに直交する二つの平面のそれぞれが液体表面との交線の曲率半径である.\(R_1\) と \(R_2\) は,円の中心が液体の内部にある場合は符号が正で,液体の外部にある場合は符号が負である.面曲率 \( \left(\frac{1}{R_1} + \frac{1}{R_2}\right) \) の符号が正か負によって,液体内部の圧力が外部より高いか低いかが決まる.ラプラス圧は,毛細管現象の原因であり,毛細管圧とも呼ばれる.例えば,液体中にこの液体に濡れ性をもつ(固体面上に滴下した液滴の接触角が90度より小さい)細いガラス円管を差し込むと液体がガラス円管内に高さhまで上昇し,ガラス管内の液体表面は半径 \(r\) の凹面を呈する.半径 \(r\) の球面に作用するラプラス圧は \( {\gamma}\left(\frac{1}{r} + \frac{1}{r}\right) = \frac{2{\gamma}}{r} \) で与えられ,これが密度 \({\rho}\) 高さ \(h\) の液柱の重力による圧力 \({\rho}gh\) (\(g\) は重力の加速度)に等しくなっている.また,ラプラス圧は薄い液膜をもつ固体面の接触力に強い影響を与える.例えば,薄い液膜をもつ固体面に濡れ性のある半径 \(R\) の球面を接触させると接触点の周辺に微小な半径の凹面をもつ液架橋(メニスカス)が形成される.これにより球面を平面から分離させるとき,最大 \( 4{\pi}R{\gamma} \) の凝着力が生じる.固体面には空気中の水分子が吸着しているので,ナノメートルスケールの微小な粗さ突起をもつ固体二面が接触すると,突起間には水分子の毛管架橋によるラプラス圧により凝着力が生じやすい.