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アブレシブ摩耗

abrasive wear

 基本的摩耗機構の一つで,表面が粗く硬い物体が軟らかい相手面を引っかくときの摩耗.エメリー紙ややすりでこするときのように,硬い物体が固定されているときを二体あるいは二元アブレシブ,砂粒や砥粒のような硬い粒子が接触面に介在して生じた摩耗を三体あるいは三元アブレシブと呼ぶ.アブレシブ摩耗は最も大きな摩耗率をとる.アブレシブ摩耗の摩耗量は幾何学的な食込み面積に比例する.半頂角θの円すい突起を荷重Pで押込み,Lだけ滑らせたときの摩耗量Vは,摩耗される材料の硬さをHとして,V=2PL/(Htanθ)で与えられる.したがって摩耗量は硬さに反比例するが,焼なまし状態の硬さと,焼入れ焼戻しでの硬さでは異なった曲線を示す.また加工硬化による硬さ増加は耐摩耗性に影響しない.アブレシブ摩耗が生じるには接触面間に硬さの差が必要であり,Ha>1.3Hmである.ここでHaは引っかくほうの硬さ,Hmは引っかかれるほうの硬さである.またアブレシブ摩耗は接触面の潤滑状態,引っかくほうの形状,荷重などにより,微小切削モード,硬い突起の前方に摩耗粒子をたい積させたウェッジ形成モード,溝は形成されるが,実質的な摩耗損失が生じないプラウイングモードの形態に分類される.