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自動変速機油

automatic transmission fluid

 自動車などの変速を自動で行う装置に使用される潤滑油をいう.自動変速機油(ATF)には,a)変速を行うための多板クラッチ,ロックアップクラッチでの摩擦,b)クラッチの制御用油圧回路の作動油,c)トルクコンバータ部での流体特性を考慮したものが要求されるため,湿式摩擦材との組合せで必要な摩擦特性を有すること,酸化安定性,熱安定性,低温粘度特性,せん断安定性,消泡性などが重要となる.自動変速機油は,-30~-40℃の極低温から100℃の高温まで広い温度範囲で使用される.したがって,高温で粘度を確保しながら,低温でも十分な流動性を持つことが必要となる.このため,粘度指数向上剤,流動点降下剤の選択だけでは十分でなく,基油の選定も重要とされている.また,ユニットにあった摩擦性能を持つ必要があるため,摩擦調整剤と呼ばれる添加剤が使用されている.近年,燃費の改善を目的としたロックアップクラッチおよび滑り制御によるトルクコンバータが増加していることから,スリップ制御領域において振動を発生させないよう,新たな摩擦特性の規格化が検討されている.酸化安定性は,内燃機関用潤滑油酸化安定度試験[JIS K 2514],ゴム膨潤特性は100~150℃での浸漬試験,せん断安定性は音波せん断試験[ASTM D 2603]により評価される.