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フラクタル

fractal

 自然界には雲の形,山の起状,河川,海岸線砕,割れ目,動植物の組織など複雑な形をしたものが多い.これらは拡大してもやはり同じように複雑に見え,スケール交換で区別できないという意味で「代表的なスケールをもたない」ということができる.そのような図形を総称してフラクタルと呼ぶ.これはMandelbrot B. B. による,破片を意味するラテン語を語源とする造語である.フラクタルは,基本となる図形を分割し,各部分を全体の縮小図形に換えるという操作を繰返すことで,人工的にも創り出すことができ,そのようなものを自己相似図形という.代表的なものにコッホ曲線がある.フラクタルの「複雑さ」を表す尺度として用いられるのがフラクタル次元である.直感的にフラクタル次元がDであるとは,その図形をk倍に拡大すると,その内部にもとの図形と同様な構造がkD個現れるということである.例えばコッホ曲線では,全体を3倍すると元の図形が\(4\left( { = {3^ \wedge }1.2618} \right)\)個現れるようにつくられているのでD=1.2618…である.フラクタルの応用としては複雑な物理現象(成長,高分子構造)の理論的説明,コンピュータグラフィックスでの複雑な自然対象物(雲,山)の描画,自己相似性を利用したデータ圧縮などがある.