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電子ビーム加工

electron beam processing

 高速に加速された電子の持つ運動エネルギーを利用した加工法である.加速電圧は,一般に10~300kV(キュアリングなどでは,3000kVを用いることもある)である.このエネルギーを熱として用いる熱加工と,電子が材料中に侵入した際に生ずる分子,原子の励起,電離作用による化学作用を利用する非熱加工がある.熱加工は,電子ビーム穴あけなどの除去(ほかに切断,トリミングなど),溶接(300mmの厚板の溶接も可能である),表面改質(焼入れ,溶融処理,アニーリング,蒸着),電子ビーム溶解による精製,溶解した物質を飛散させることによる粉末粒子の製造などがある.非熱加工は,リソグラフィー,キュアリングである.電子ビーム加工は一般には真空中で行う(キュアリングでは大気中へビームを取出す.また,熱加工でも,大気中へビームを取出す方式もある)ため,加工材料の汚染はなく,クリーンな加工ができる.電子ビームは,電磁界によって,強度(ビーム電流値),エネルギ一(加速電圧),軌道を容易に制御できる.それゆえ,加工条件,加工位置決めの自動化が容易である,X線の発生などの問題点もあるが,生産プロセスにとって重要な加工技術である.