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遷音速機

transonic aircraft

 飛行機の飛行速度が音速に近くなると,機体のまわりで気流の速さがある場所では音速以下であり,ある場所では音速以上になるような状況が生じる.このような速度で飛ぶ飛行機を遷音速機という.飛行速度と音速の比であるマッハ数を用いれば,遷音速機はマッハ数0.8~1.2の範囲を飛ぶ飛行機と定義される.飛行速度が音速に近くなり空気の圧縮性の影響が強く現れ始めると衝撃波の形成およびそれに基づく機体表面の境界層のはく離により空気抵抗が著しく増加する.このため輸送効率の観点から一部の軍用機を除いて空気抵抗が著しく増加し始める手前のマッハ数0.8付近で飛ぶ飛行機が多い.我が国で運用されている代表的な遷音速機には,自衛隊機としてはT-4中等練習機,旅客機としてはボーイング747ジャンボジェットやエアバスA300などがある.遷音速機の外形上の特徴は後退角を有する主翼ならびに流線形の胴体であり,これは空気抵抗のなかでも造波抵抗を低くおさえることをねらっている.また主翼翼型には衝撃波の発生を遅らせる10~15%翼厚の翼型を採用している機体が多い.エンジンには高速性能に優れ燃料消費率の低いターボファンエンジンを搭載している機体が多い.