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超音速機

supersonic aircraft

 機体のまわりの流れが,いたるところで音速を超える飛行機を超音速機と呼ぶ.飛行速度と音速の比であるマッハ数を用いれば,超音速機はマッハ数1.2~5の範囲を飛ぶ飛行機と定義される.1955年に公式に音速を突破して超音速機第1号になった機体はアメリカのノースアメリカンF100C戦闘機であり,我が国で開発された代表的な超音速機としては1971年に初飛行したT-2高等練習機がある.また超音速輸送機の代表的な例としては1973年に初飛行したイギリスとフランスの共同開発機であるコンコルドがある.超音速速度域では機首や主翼前縁に衝撃波と呼ばれる空気密度の不連続面が形成され,圧力変動は音速をもって伝わるため衝撃波より後ろの情報は衝撃波を超えて前方へは伝わらない.この衝撃波がソニックブームとなって公害をもたらすことがある.また,機首など空気の流れをせき止める部分では運動エネルギーが熱エネルギーに変換されて非常に大きな温度上昇を生じる場合があり,適切な機体材料の選定が必要である.さらに超音速輸送機では燃料消費率が少なくかつ大気汚染を引起こさないエンジンの開発も重要である.ちなみに輸送効率の観点からはコンコルドは1920年代のピストンエンジン輸送機とほぼ同等である.現在第二世代の超音速輸送機の研究開発が進められているが,これら環境,空力加熱,経済性などの問題の解決がかぎとなっている.