分子流

molecular flow

 気体を構成する分子は熱運動により互いに衝突を繰返しているが,1回の衝突の間に移動する距離が平均自由行程と呼ばれ,それは圧力の低下と共に増大する.このため,気体の圧力を下げるかあるいは流路径を細くすると,分子どうしの衝突よりも管壁と分子間の衝突がしだいに多くなる.この状態の極限では気体と壁との衝突が支配的になり,流れに対する抵抗も粘性流れとは異なる.このような流れ状態を分子流と呼ぶ.クヌードセン流れともいう.