技術移転

technology transfer

 研究開発の成果としての技術が,企業,大学・研究機関,国家などの間で移転されることで,地域間では国内と海外への技術移転がある.国内での技術移転では,特に基礎研究を担当している国公立試験研究機関,大学などで生れた研究成果を企業に移転することは,先端研究の実用化,国全体の研究開発の効率化などの観点から重要である.このための技術移転の中枢的機関として,新技術事業団は企業化が困難と思われる新技術について,企業に開発を委託し,必要な開発費を支出して,企業のリスクを負担する委託開発制度を設け,新技術を積極的に企業化することを図っている.基礎研究段階の研究成果ではその役割は大きく,諸外国でも公的機関の研究成果の,民間への技術移転が行われており,各国の技術移転機関が隔年ごとに国際会議を開催して,情報交換などを行っている.一方,国際的な技術移転は先進国から発展途上国への生産拠点の移設,事業の国際化による水平分業などに伴って,当然のことながら技術の海外移転も増加している.また先進国から発展途上国への経済支援の一環としての,技術供与も技術移転の一つである.