接触応力

contact stress

 図に示すように二つの物体が互いに押し合って接触している場合,局部的な変形によって接触面ができる.この面には接触圧力(場合によってはせん断応力も)が生じ,これを接触応力と呼ぶ.接触応力は,一般に接触している二物体間に働く力はもちろん,これらの形状,材料特性,接触面状態によって変化する.しかもその値や分布は接触面の摩擦や破壊にも強く影響することが知られている.接触応力を求める方法として,接触面に摩擦がなく,その寸法が接触二物体のそれらに比較してきわめて小さく,接触によって二物体が降伏しない範囲(弾性接触域)などの仮定が成り立つ場合,ヘルツの理論が知られている.このような仮定に適合しない場合には,フィルムエレメントなどを用いた有限要素法等の数値解法を利用する方法があるが,実験的には接触面の応力を直接測定することは一般に難しい.

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