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差分法

finite difference method (FDM)

 差分法は微分を差分商で置換える離散化手法の一つである.差分法は有限体積法・有限要素法に対比して用いられる場合が多い.数値解析法の技術としては最も古く直感的で初心者にもわかりやすい.しかし,複雑な形状のものを差分法で解くと境界条件の取扱い方がほかの手法よりも複雑になり,解析手法としてはん用性に乏しい.特に高精度のスキームを差分法で構築するとステンシルが長くなり,境界近傍で精度があまくなる.それに反して移流項を差分法で近似すると,高次精度の風上差分法を用いることができるため,乱流の直接シミュレーションなどによく利用される.多次元問題に対する高次精度の風上化はその表示が複雑となり素人にはわかりにくいのが欠点である.離散スキームの安定性,打切り誤差,位相誤差,増幅誤差などを調べるのに差分法は適している.この面で他の手法に較べると差分法は解析的であるということもできる.一般に微係数を差分商で近似する方法はいく種類もある.このため安定性にすぐれた高次精度の差分スキームを作ることは重要である.Navier-Stokes方程式を差分法で離散化した多くのスキームが開発されている.有限差分法ということもある.

01/1004712.txt · 最終更新: 2017/07/19 08:48 by 127.0.0.1