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前方押出し

forward extrusion

 押出加工法では,コンテナおよびダイス内でビレットに加わる応力およびひずみの状態は,押出方向を含む押出方法の相違により大きく異なり,また被加工材の変形形態のみならず押出後の製品の力学的および金属学的特性も押出方向そのほかの条件により異なる.前方押出しは,コンテナ内に装てんしたビレットに後方からラムを用いて圧力を加え,前方に設置されたダイスの穴を通して所定の横断面を有する製品へと押出す加工法であり,アルミニウム合金,銅合金をはじめとする多くの工業材料の加工方法として広く利用されている最も基本的な押出加工法である.前方押出しの基本的な特性は,押出しの進行に従ってビレットがコンテナ内を移動するため,コンテナとビレットとの間に大きな摩擦抵抗と発熱が発生し,これに伴って押出荷重の増大,コンテナ壁面の焼付き,デッドメタルの形成,ビレット表皮の巻込み,など種々の問題が発生することである.押出製品の長手方向にみた寸法変化もその一つであり,上述の発熱によるダイス・工具の熱変形に起因する.これらに対しては,押出速度を遅くしたり,ビレットのテーパ加熱で対応する.

08/1007224.txt · 最終更新: 2017/07/19 08:48 by 127.0.0.1