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キャビテーション

cavitation

 圧力など場の状態の変動により,液体中に気相(キャビティ)が発生・成長・崩壊する現象のことである.一般に,流速が速くなり場の圧力が低下して飽和蒸気圧以下になれば,液中に存在する微細な気泡などを核としてキャビティが発生する.その後周囲の圧力が上昇すればキャビティは崩壊し,崩壊時の衝撃圧やマイクロジェットの作用により,その近傍の固体表面にはかい食が生じる.このようなキャビテーションは,ポンプ,水車などで発生するが,性能の低下,振動,騒音,キャビテーション損傷が生じたりするため不都合なことが多い.キャビテーション現象の目安として次の様なキャビテーション係数kが定義されている.\(k = \left( {p - {p_v}} \right)/\left( {\rho {V^2}/2} \right)\)ここに,pは流れが物体の影響を受けない場での圧力,\({{p_v}}\)は液温における飽和蒸気圧,ρは液の密度,Vは液と物体との相対速度である.キャビテーション係数が小さいほどキャビテーションは起こりやすいことになる.同一のキャビテーション係数でも,生じるキャビテーションの様相が異なることがある.これを寸度効果という.例えば模型の寸法が小さければ初生キャビテーション係数も小さくなる.また,液中のキャビテーション核の数,物体表面の粗度などによっても変化する.

09/1002772.txt · 最終更新: 2023/02/17 10:59 by 127.0.0.1