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自然対流

natural convection

 十分に広い静止流体の中に高温の物体を置くと,物体に接する流体は加熱され,遠方の流体よりも密度が減少して浮力が生じ(アルキメデスの原理),上昇流が発生する.このような現象を自然対流または自由対流と呼ぶ.自然対流は流体の温度上昇によって誘起されるものであるから,速度境界層の厚さは温度境界層と同程度か,それより厚くなるのが普通である.高温物体のまわりに生じる自然対流では,周囲流体は,高温物体に向かってほとんど水平に流れていき,温度境界層内で加熱されて方向を転じ,物体表面に沿って上昇する.鉛直ないし傾斜管路内の自然対流では,浮力によって煙突効果が生じ,管路下端から流入した周囲流体は上端から流出する.なお,物体温度が流体温度より低い場合には,自然対流は下向きに生じるが,現象の本質は全く同じである.自由対流の駆動力の大きさは,下に定義のグラスホフ数Gr(Grashof number)と呼ばれる無次元数で規定される.\[\frac{{g\it \beta \Delta T{x^3}}}{{{\nu ^2}}}\]ここで,gは重力加速度,βは体膨張係数,ΔTは物体と流体間の温度差,xは代表寸法,νは動粘性率である.【自然対流熱伝達体積力対流

10/1005192.txt · 最終更新: 2023/02/17 11:00 by 127.0.0.1