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β形スターリングエンジン

β形スターリングエンジンとは一つのシリンダ内にディスプレーサピストンとパワーピストンを配置したエンジン形式である.シリンダ内にガスの移動に特化したディスプレーサと呼ばれるピストンを用意し,ディスプレーサの上下空間をそれぞれ高温空間,低温空間とする.この両空間をシリンダ外部の通路(実用的なエンジンではこの通路に熱交換器が配置される)で連結し,ディスプレーサを上下させることにより作動ガスを高温あるいは低温空間に移動させエンジン内圧力変化を生じさせる.この圧力変化を同じシリンダにディスプレーサと同軸に設置されたパワーピストンによって外部に仕事として取り出す.上下の空間の圧力は基本的には等しいためディスプレーサは外部に仕事を行わない.パワーピストンによって取り出された仕事の一部はディスプレーサの作動に利用される.
ディスプレーサの上下空間は同圧であるため厳密なシールは必要とされない.外部への厳密なシールが要求されるパワーピストンが一つであるため,二つのパワーピストンを持つα形に対して機械損失低減の面で有効性がある.また,ディスプレーサとパワーピストンの動作範囲をオーバーラップさせることが可能であり,エンジンの圧縮比を高めることによる性能向上が見込める.全体的にコンパクトな構成となり実用的エンジンにおける採用例も多い形式である.

11/β形スターリングエンジン.txt · 最終更新: 2023/03/23 11:51 by esd08