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ウラン濃縮

uranium enrichment

 天然ウラン中には約0.7%しか含まれていない核分裂性同位体U-235を選択的に分離し,その同位体濃度を高めること.アメリカは第二次世界大戦中に,マンハッタンプロジェクトという暗号名のもとで,98%以上のほぼ純粋なU-235である高濃縮ウランを製造し,原爆をつくった.このために用いられたウラン濃縮の方法は,主としてガス拡散法であり,熱拡散法が併用され電磁的分離も試みられた.その後,原爆保有国となった旧ソ連,イギリス,フランスおよび中国もガス拡散法を採用したが,旧ソ連は比較的早期に遠心分離法に切換えたといわれている.現在では,軽水炉用の数%程度の低濃縮ウランが遠心分離法およびガス拡散法の商業用のプラントで製造されており,我が国においても,青森県六ヶ所村に日本原燃㈱の遠心分離法によるウラン濃縮工場が稼働している.ウラン濃縮の方法には,そのほかレーザー分離法(原子法および分子法),ノズル分離法,化学交換法,ヘリコン法,プラズマ分離法などがある.→「ガス拡散法・,「遠心分離法」