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転がり軸受

rolling bearing

 軸および軸受箱にそれぞれ取付けられるリング状の内輪および外輪の間に転動体(玉またはころ)を挿入し,その転がり接触運動によって回転運動の案内をする機械要素.転がり接触運動によって直線運動の案内をする機械要素は転がり案内.転動体を互いに直接接触させず等間隔に保つための保持器を持つ構造が普通.転動体と軌道の形状によって,玉を使う玉軸受には深溝,アンギュラ,自動調心,ころを使うころ軸受には円筒,円すい,自動調心などの形式,転動体の列数によって単列と複列の種類がある.主としてラジアル荷重を受けるラジアル軸受とアキシアル荷重を受けるスラスト軸受に分かれる.転がり軸受の特長は,①外径,内径,幅とその公差,精度等級,回転精度,許容最大荷重,寿命計算式が国際標準化されているので世界的にも互換性がある,②軸受摩擦の大きさおよび静摩擦と動摩擦の差が小さい,③潤滑グリースが使え密封装置が簡単になる,④ラジアルとアキシアルの両荷重を1個の軸受で受けられる深溝玉軸受がある,⑤高温でも使える軸受がある,⑥機械の軸受取付部分の加工と取付後の調整が簡単である,⑦世界中の専門工場で大量生産されるので高精度の軸受が比較的安価に流通しているなど,滑り軸受と比べて使いやすさと経済性に優れている.そのため高精度に製作し,注意深い調整を必要とする流体軸受に比べるとコスト・パフォーマンスが高い.