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トライボロジー

tribology

 摩擦・潤滑・表面損傷などを取扱う工学分野.1966年にイギリスのJost報告で提唱された用語で,「相対運動を行いながら相互作用を及ぼし合う表面およびそれに関連する実際問題の科学技術」と定義されている.トライボロジーは典型的な境界領域で,機械工学,化学工学を中心に,材料化学,物理学など数多くの専門分野が関与しており,またその応用範囲も軸受・歯車などの機械要素をはじめ,自動車のブレーキ,クラッチ,タイヤ,橋りょうの支承,計算機のメモリディスク,さらに加工における工具と材料間など,さまざまな摩擦面を横断的にカバーしているのが特徴である.技術としてのトライボロジーは,次の三つをおもな目的としている.第一は摩擦の制御で,エネルギーの節減,高効率化のために摩擦係数を低くしたいというのが一般であるが,ブレーキのように摩擦係数を高くしたい場合もある.第二は摩擦面に生ずる摩耗,焼付きなどの表面損傷の防止ないしは軽減で,機械装置の安全性,信頼性の向上,資源の有効利用に寄与している.第三は摩擦面に起因する騒音・振動,ある種の摩耗粉などによる環境への影響の低減で,近年とくに重視されるようになった.これらの目的のためには,適切な摩擦面の設計,潤滑剤・摩擦面材料の選定がキー・ポイントとなる.