キーワード: 名誉員から一言

繋がる

No.1211, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1211-49/

アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチの中に、「点と点をつなぐ」という話が出てくる。ジョブズは大学に通ったものの、やりたいことが見つからず、興味の赴くままにカリグラフィの講義を聴講した。その時には何かの役に立つとは考えもしなかったが…Read More

研究から学んだこと

No.1210, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1210-41/

測定器を自分で作る(1) 私の博士学位論文は、「乱流平板境界層拡散火炎の安定と構造に関する研究」と題する実験研究です。この研究は、当時最新の流体流速測定法であったレーザドップラー流速計(LDV)を用いて、燃焼場での速度測定を行ったものでした。LDVは当時大変高価であり、大学院生で…Read More

今を一生懸命に

No.1209, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1209-49/

本会の会員になったのは30歳になった頃である。普通は各大学の機械工学科を卒業するまでには学生会員になって、その後は正会員として継続していると思う。筆者の場合は精密機械工学科の卒業であり、大学院に進学すると同時に精密工学会に入会し、地方国立大学の機械工学科に採用されるまで精密工学会…Read More

工学における創造性 その2 -弁証法的パラダイムシフト-

No.1205, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1205-50/

創造性 1995年に科学技術創造立国に向けて科学技術基本法が制定された。その中に以下の言葉がある(抜粋)。「自ら未開の科学技術分野に挑戦し、創造性を最大限に発揮し、未来を切り拓いていかなければならない…」。この創造性の発現に向けて、科学はこの200年間に、そのパラダイムをシフトさ…Read More

工学における創造性 その1 -チンパンジーと鏡-

No.1204, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1204-51/

はじめに 春の夜には、大学の本館前の月に映えた桜の老木を眺めながら帰宅するのを楽しみとしていた。退職間近のある日、「老桜を包む月明かり」と「月明かりが織りなす陰影」とが互いに絡み合ってハーモニーを奏でているのに出会い、「かげ(影・景)」という言葉には、通常の「黒い影」という意味に…Read More

企業の研究所と地方大学の経験から

No.1202, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1202-47/

若手研究者・技術者への教訓   オリンピックを目指す若者たちがいるように、科学技術の分野でもきらりと光る成果を目指す多くの若者がいる。自分の領域を確立することに努力し苦労している研究者・技術者の卵もいる。研究技術の方向性や仕事環境が不満で悩むこともあるだろう。筆者は、N…Read More

規格開発における機械学会の役割

No.1201, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1201-47/

名誉員という、身に余る立場に御推挙いただき、ここに一文を掲載する機会をいただいた。一言というと、私と機械学会との関わりの中で、最も印象に残り、また今後の機械学会の活動にも極めて重要と感ずる、規格開発活動について的を絞ってまとめたいと思う。

これからも繁栄する「日本のモノづくり」に向けて

No.1200, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1200-47/

私は今まで40年以上にわたり、一企業でモノづくりに携わってきた。日本の製造業は、昭和40年代〜50年代の高度経済成長に支えられ、世界に先駆けて新しい技術や自動化などを取入れ発展してきた。戦後のベビーブームに生まれた、いわゆる団塊の世代の人々の熱意とパワーで、世界をリードする状況を…Read More

職業人としての研究生活

No.1199, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1199-49/

平成30年4月19日に、機械学会名誉員の顕彰を受けさせていただきまして、心より感謝申し上げます。私は、昭和48年、学部4年次から機械学会に入会しました。当時の機械学会誌はかなり厚く、興味深い総説が多数掲載されていたので、図書室でよく読んでいました。その頃はコピーもあまり使えず、興…Read More

コミュニティ形成と学術研究活動の展開

No.1198, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1198-43/

はじめに  今春、東北大学を退職し、これまで36 年間第一線の往路で日本機械学会を中心に学術研究活動を展開してきた。研究者として復路への折り返しとなった機会に、筆者の経験から会員の皆様にコミュニティに関して一言述べたい。研究者はそれぞれ能力と個性を有し、特に独創性や新規性を追求す…Read More

若い人よ、機械製品開発で論文を書こう

No.1197, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1197-46/

最近、日本から発表される理工学の論文数が少なく、レベルが下がっていると聞き、大変憂慮している。若い人には、理工学より魅力を感じるものが世の中に多く、そちらに関心を奪われてしまうのだろうか?もっと、機械製品開発が面白いことを若い人に伝授しなければならないと思う。機械製品開発はこんな…Read More

企業の開発と大学の研究を経験して -研究者をストックからフローへ-

No.1196, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1196-46/

はじめに 私はいわゆる団塊の世代であるが、企業で約28年間、さらに大学で約14年間と、企業と大学の両方で研究開発に携わってきた。ここでは、この間を振り返って、「学んだこと」、「考えたこと」をまとめてみた。企業や大学をとりまく状況は異なるが、多少とも、若い技術者・研究者の皆さんの参…Read More

長期的視点を含む評価プロセスの検証

No.1195, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1195-48/

歳を経れば、物事がよく見えてくると言われるのは、いろいろな経験を通して判断力が高まるからであろうか。歳を取り過ぎると、眼が霞んで判断が鈍ることもあり、歳を取ることの意味をいろいろ考えさせられる。 大学で長年に亘り研究と教育に取り組んできた。学生の身分から大学に籍を移した当初は、昇…Read More

研究成果の世界への発信

No.1194, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1194-41/

「研究成果の世界への発信」の一例として筆者の経験を紹介したい。 筆者が論文を書き始めた48年前、機械学会の論文集に掲載されるのが一つのステータスであった。そのため、研究成果を英文雑誌に投稿するとなると、機械学会の英文誌が関の山でASMEへの投稿など大変に敷居が高かった。 ところが…Read More

産学連携で大学の工学系に国際競争力を

No.1193, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1193-49/

1.自己紹介と近況 機械工学の博士課程を1969年に修了後、日本電信電話公社武蔵野電気通信研究所に入所し、コンピュータ産業の勃興期に磁気記憶装置の研究実用化に13年間従事し、その後東工大の助教授・教授として研究・教育に23年間従事した。定年退職後、日立製作所の研究所の技術顧問とし…Read More

ものづくり強国としての日本のこれから

No.1192, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1192-45/

競争力に優れていたはずの日本が、これからどうなっていくのかと最近よく考える。経済大国として米国に次いで戦後長らく保っていた第2位の地位が、あっという間に中国に追い越された。いずれはインドにも追い越されてしまうであろう。関連して、昨年アブダビで開催された技能オリンピックで日本は惨敗…Read More

常識と研究、ヒューマンウオッチング

No.1191, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1191-48/

この会誌が目に触れる2月下旬は、就職など人生の旅立ちを前に気持ちを新たにしている人が多いだろう。私も昨年春に北海道大学を卒業(定年退職)して新たな道を求め、JICA専門家としてインドネシア東部の赤道付近、不思議な形のスラウェシ島に2017年6月から暮らし始めた。しばらくしてから方…Read More

老兵の戯言 学術講演会の改革を求めて!

No.1189, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1189-47/

日本のモノづくりを学術界から支えてきた我が日本機械学会の学術研究活動について最近感じている雑感を述べる。 バブル崩壊以来、なぜ日本のモノづくりが衰退してしまったのか?生活水準が向上して物が溢れ、情報通信技術の発展、普及も手伝って、製品の価値がハードからソフトへ、モノづくりからコト…Read More

Well to WheelとLife Cycle Assessmentの意味するところ

No.1188, https://www.jsme.or.jp/kaisi/1188-47/

Well to Wheel 自動車からのCO2 排出には、Tank to Wheel とWell to Wheelという二つの考え方がある。Tank to Wheel は自動車の燃料タンクからタイヤを駆動するまで、一方Well to Wheelは、油田からタイヤを駆動するまでとい…Read More