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2018/12 Vol.121

よごれ0(ゼロ)ロボッ子
村越 心 さん(当時9 歳)
この‘よごれ0(ゼロ)ロボッ子’は、体が掃除機のようになっています。手は掃除のアイテムが出てくるようになっています。口はゴミを吸い込めるようになっています。そして、吸い込まれたゴミは大きなおなかに入り、それが‘よごれ0(ゼロ)ロボッ子’のごはんとなります。目はセンサーが付いていて部屋のよごれがあるとすぐに気づけるようになっています。足はモップで水などをふけます。モップは自由に動きます。頭にはアンテナが付いていて、電気に近づくと体全体が気づき、動くようになっています。これが‘よごれ0(ゼロ)ロボッ子’の仕組みです。

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特集 機械工学が拓くIoT技術

メディカルIoT 治療室内IoTを中心に

正宗 賢(東京女子医科大学)

医療領域におけるIoT – IoMT

医療領域におけるIoTをIoMT (Internet of Medical Things) と言う。範囲は広く、診断・治療向けのみならず、ヘルスケア、健康増進向けの機器などまで及ぶ。端的に言うと、さまざまな医療機器やデバイスをインターネットで接続し、医療データの収集や解析・表示をリアルタイムに行う技術や概念のことを言う。IoMTが普及することで、個々人のデータが蓄積され、その結果、治療の最適化、治療精度の向上、医療の安全性向上、そして我々のQOL向上が大いに期待されている。

IoMTの導入対象は、医療の段階(フェーズ)により、①未病・ヘルスケア、②在宅医療、③診断、④治療、⑤治療予後医療・リハビリに分類することができる。それぞれのフェーズにおいて医療機器や計測通信機器が使用されているが、近年ではどの領域にもIoTが導入されつつある。Apple Watchを代表とするウェアラブル端末やデバイス、モバイル端末の活用はその一例であり、日常生活時や治療中、リハビリ運動中において心電図や血圧、身体活動度などを持続的に計測することができる。最近では医療機器として承認を受けたものもあり、精緻なデータ取得・蓄積による診断に繋がってきている。今のところ、それらの多くはあらかじめ得られた統計値との比較などが行われているが、今後はデータが集積され、個々人に適したより細かな指導や予測の方向に進んでいくことになり、IoMTは市場規模含め拡大の一途を辿っている。

一方、上述した①〜⑤の中で、IoTの導入が比較的遅れているのが、④治療のフェーズである。治療に用いられる機器は、医療機器として機器単体で承認されているものがほとんどであり、そもそもネットワークに繋ぐことを前提としていない。また、手術中に得られるデータは生体信号から医用画像やリアルタイム映像など多種多様であり、時間的にも空間的にも統一して取り扱うことが難しいこと、蓄積データの効果的な利活用が現時点で十分には検証されていないことなどの現状がある。そこで本稿では、この治療フェーズにおけるIoMTの先端的な研究事例として、我々が現在研究開発を進めているスマート治療室(Smart Cyber Operating Theater: SCOT®) について紹介し、その展開について現状と展望を述べる。

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