日本機械学会サイト

目次に戻る

2020/9 Vol.123

表紙の説明:これは、フライス盤のテーブルに取り付けて使用する割出し台の割出し板部分である。ハンドルを回して穴へピンをさし込んで直接割り出す方法と、送り機構から駆動させる方法がある。これを用いて、円筒工作物の外周上に等分割の溝をフライス加工したり、インボリュートカッタを取付けて歯切り加工したりできる。
[日本工業大学工業技術博物館]

表紙写真 北原 一宏

バックナンバー

特集 V&V―シミュレーションの 信頼性確保のために―

米国機械学会 V&V標準の動向

山田 貴博(横浜国立大学)

はじめに

米国機械学会におけるV&V標準の位置付け

固体や熱流体を対象とする機械系の数値シミュレーションのVerification and Validation(V&V、検証と妥当性確認、以下V&V)では、米国機械学会(The American Society of Mechanical Engineers、以下ASME)が行っている標準化の規格策定とその文書発行のための活動が、ひとつの中心的な役割を果たしている。この活動は、ASMEの創立の原点であり、事業の大きな柱となっている技術標準、規格を策定するCodes and Standardsの一つに位置づけられている。V&V committee(以下V&V委員会)の初代委員長であるSouthwest Research InstituteのDr. Christopher J. Freitas氏が、V&V委員会を当初から牽引し、後述するV&Vシンポジウムを立ち上げた功績により、ASME 2019 Patrick J. Higgins Medalを受賞していることからも、V&Vの技術標準に関連する活動が重要なものとして評価されていることが分かる。

また、V&V委員会は、数値シミュレーションの品質保証についての標準化を行っている英国を中心とした機関であるNAFEMSとも密接な連携をとっており、ASMEのV&V標準は国際的な技術標準としての地位を確立しつつあるものと考えられる。

本稿では、このようなASME V&V標準の考え方と最近の動向を概説する。

会員ログイン

続きを読むには会員ログインが必要です。機械学会会員の方はこちらからログインしてください。

入会のご案内

パスワードをお忘れの方はこちら

キーワード: