「匠のワザ」でトラブル完全対策法を学ぶ
第5回 匠のワザ(4)はレベルダウン法
トラブルの再発を知って採用するレベルダウン法
第4回のトラブル完全対策法で、「技術者必携」と筆者が提唱する「絵辞書」を作成しただろうか? 競争原理が存在する企業の技術者は、我先にと作成するが、呑気な企業では、コンサルタント契約をしない限り作成しない。当事務所にその原因があるのであれば改善したいと素直に思うが、「競争原理」の存在が必要条件である。
ところで、つねに身の回りのトラブル対策が、四つあるトラブル完全対策法の設計思想に当てはまるとは限らない。
例えば、お客様が激怒しており、本来は「フェールセーフ設計思想」に基づいて、機器にセンサーを新設したいと考えていても、目標コストを大幅に超えてしまう場合や、設計変更から対策の検証までに数カ月を超えてしまう場合がある。このようなとき、お客様が納得するという条件のもとに、トラブルは再発するけれども、「レベルダウン法」の採用を推奨する。
今回は、ここから「レベルダウン法」を詳しく解説する。
キーワード:「匠のワザ」でトラブル完全対策法を学ぶ
表紙:経年変化してグラデーションに紙焼けをした古紙を材料にコラージュ作品を生み出す作家「余地|yoti」。
古い科学雑誌を素材にして、特集名に着想を受け、つくりおろしています。
デザイン SKG(株)
表紙絵 佐藤 洋美(余地|yoti)