AI/Robot/IoT で変わる製造現場
「我々がやるしかない」自動化を目指す YKK AP 窓施工ロボット「MABOT」を開発
自動で窓サッシを固定、溶接するロボット
建材のリーディングカンパニーであるYKK APは2024年9月に、ビル建設現場で窓サッシの施工を行うロボット「MABOT(マボット)」を開発したと発表した。
MABOTは、人と協働するロボットで、まずは基準墨を自動認識して確認、自己位置やサッシ供給台との位置関係を補正して、窓枠を指定位置に設置する「Alignmenter01(アライメンター01)」(図1)と、建て込み設置された窓枠の四辺の躯体に対して、窓枠を固定するための鉄製ブラケットを配置、鉄骨の開口補強にTIG溶接して固定する「Welfixer01(ウェルフィクサー01)」(図2)で構成される。
図1 窓枠を正確な位置に自動設置する「Alignmenter01」
図2 窓枠をTIG溶接して固定する「Welfixer01」は自律移動可能
四輪独立駆動、バッテリー駆動する「ウェルフィクサー」は、BIM(Building Information Modeling)データから作成した地図情報を基にした自律走行機能と、自動昇降リフターを搭載しており上下に大きな可動範囲を持つ。はきだし窓の溶接を想定した低所(最低地上高0mm)から高所(最高地上高3.2m)までの広い可動範囲がある。窓枠を持つ「アライメンター」のエンドエフェクタも新規開発だ。運用対象商品はビル用サッシの主力商品「EXIMA 31」。多くのビルで使われている製品だという。
「01」の後続ロボットもすでに開発中で、熟練技能のスキルレス化や、高所作業による災害リスクの低減と安全性向上、溶接ヒュームの発生など健康障害リスクの低減など目的として、実際にビル建設現場での実証実験を行う予定だ。
今回メディアとして初めて、YKK APが2024年4月に設立して人とロボットが協働する新しい窓枠サッシ施工のあり方を探求中の「ROBOLABO」を訪問し、話を伺うことができた。
キーワード:AI/Robot/IoT で変わる製造現場
表紙:経年変化してグラデーションに紙焼けをした古紙を材料にコラージュ作品を生み出す作家「余地|yoti」。
古い科学雑誌を素材にして、特集名に着想を受け、つくりおろしています。
デザイン SKG(株)
表紙絵 佐藤 洋美(余地|yoti)