特集 日本の標準化対応はなぜ遅れるのか- 課題と取り組み
IECにおける協調安全の国際標準化提案
協調安全とは
協調安全は明治大学の向殿先生が提唱された考え方で、図1に示すように、安全の考え方は時代とともに変わってきている。まず、1980年代では危険な機械を人が注意しながら事故がないように使用していた。これをSafety0.0と呼ぶが、人の注意力や作業手順に頼った安全であった。2000年ごろになると危険な機械を人から隔離し、接近時には停止させることで安全を確保するようになった。これをSafety1.0と呼称する。機械にも本質安全、機械安全といった安全技術が導入され、安全性の向上が図られた。しかし、2020年ごろからさまざまな分野で協働ロボットや無人搬送車、サービスロボットが使われ始め、フレキシブルな社会が求められるようになってきた。このような社会環境の変化に対応するのが協調安全/Safety2.0である(1)。
図1 安全の考え方の変遷と協調安全(Safety 2.0)
表紙:経年変化してグラデーションに紙焼けをした古紙を材料にコラージュ作品を生み出す作家「余地|yoti」。
古い科学雑誌を素材にして、特集名に着想を受け、つくりおろしています。
デザイン SKG(株)
表紙絵 佐藤 洋美(余地|yoti)