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2025/6 Vol.128

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深層断面 JSME EDITION

日系車部品、インド攻勢

増田 晴香(日刊工業新聞社・名古屋)

日刊工業新聞 深層断面
JSME EDITION

 


“トランプ関税” 乗り越える

自動車部品メーカーが成長市場と期待されるインドで攻勢をかけている。日系自動車メーカーの増産計画を踏まえ、生産設備の新設や増強を着々と進める。今後の車の高機能化や規制強化に伴う高付加価値品の需要増にも応える。トランプ関税の影響で米国市場の減速が懸念されており、インド市場の重要性は増す。開発体制の強化や現地調達率の向上などにも取り組み、インド事業を大きな柱に育てられるかが試される。

生産設備の増強着々 環境規制・安全機運追い風
米中に次ぐ巨大市場に活路

「アフター品をはじめ、来場者からの反響も大きく手応えを感じた」。1月に開かれたインド最大級の自動車展示会「バーラト・モビリティ・グローバル・エキスポ2025」に初出展したトヨタ紡織の白柳正義社長は、会場を訪れた際の感触を振り返る。同社はアフターマーケット用品の後付けシートカバーや、モーター中核部品の「モーターコア」を出展。一段の受注獲得に向けて認知度向上につなげた。

インド自動車工業会(SIAM)がまとめた2024年の同国の新車販売台数(出荷ベース、乗用車と商用車の合計)は前年比2.9%増の522万6,784台と、中国や米国に次ぐ世界3位の市場規模を維持(図1)。経済成長や所得向上などを背景に今後も自動車市場の拡大が見込まれる。

図1 インドの新車販売台数

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