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2025/7 Vol.128

表紙:経年変化してグラデーションに紙焼けをした古紙を材料にコラージュ作品を生み出す作家「余地|yoti」。
古い科学雑誌を素材にして、特集名に着想を受け、つくりおろしています。

デザイン SKG(株)
表紙絵 佐藤 洋美(余地|yoti)

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特集 Additive Manufacturing 技術の動向と技術者の意識

Additive Manufacturing活用の鍵となる共創

舘野 寿丈(明治大学)

Additive Manufacturing活用の現状

Additive Manufacturing(AM)の名称がISO/ASTMで定義されて、はや10年以上が過ぎた。その間、世界中で急速に実製品への適用範囲を広げている。航空機、宇宙産業、医療といった先端分野での適用から、眼鏡フレームやインソールといった市民の利用する製品、さらに列車や船といった大型部品の修理など活用は幅広い。一方、日本での実製品への適用は増えているものの大きく拡大しているとは言えない。要因はいくつもあると思われる。一つには、産業構造の話がある。後述するが、AMは複雑で高価であっても軽量な部品を少量だけ製造する航空機産業などに向いており、自動車のような低価格に高品質な部品を量産する産業では、AMによる製造はコストと生産性において見合わないことが多い。かなり限定された、いわばニッチな領域で活躍するのがAMである。しかし、欧米などでAMが拡大しているのは、産業分野というよりも、AMを使った新しい製品やサービス創造への意欲によるところが大きいと感じる。AMを活かす応用・活用のターゲットを定めて製品化する力である。かねてから日本のものづくりは、研究開発は先進的であるものの、それを製品化する力が弱いと言われてきた。AMについてもそうなってはいけない。

本特集は、日本機械学会生産システム部門に所属する一連のAMに関する分科会(通称AM分科会)が取り組んできた成果の一部を紹介する。本分科会は、AMそのものの技術動向に加えて、応用・活用についての調査・研究を進めてきた。2023年9月の日本機械学会年次大会では技術フォーラムを開催し、AMの応用・活用を広げることは、新しい技術に対する技術者の意識と強く関係していることが浮き彫りにされた。本特集は、そこでの議論をまとめなおしたものである。各著者からは、最新の技術動向に加え、技術者の意識に生ずるコンフリクトが紹介される。それは、どちらが良いという結論は決してなく、さまざまな考えを持った人たちが集まり、議論することが製品化の力につながると考えている。議論のきっかけにしていただければ幸いである。

本稿は、特集の総論として、まずAMの活用価値が生ずる領域について解説し、続いてAM活用を進めるキーポイントとして、製造技術者だけでなく他の部署とともに検討してトータルな価値を見出す共創について述べる。

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