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2026/2 Vol.129

装置製作:高山芳の
(多摩美術大学大学院美術研究科デザイン専攻 統合デザイン領域 在籍)
金属・磁石・モーターなどの単純なメカニズムを用いた装置は、重力や摩擦を受け入れながら、ある行為を繰り返します。その姿は、私たちが呼吸し、脈を打ちながら生きていることを思い出させます。本誌では、学部の卒業制作である 10 体の装置〈脈拍〉を中心に、全 12 体の作品を紹介します。

バックナンバー

スケールシフト思考― 視点を変えると世界が変わる

第2回 研究ならチャンピオンになれる

岩渕 明(岩手大学)

▼研究者を目指す

知の創造として「スケールシフト学」を考えた発端は前回に述べたが、研究者としては真面目とは思えない私の履歴をまずは紹介しよう。ここでの真面目というのはわき目を振らず、一つのテーマを追う姿勢であろうか。

大学院修士課程を終えて私は機械工学科の助手になった。研究者志望というより大学教員として学生たちと当面は“遊ぶ”ことを希望していた。企業訪問もしたが、無機質な機械相手よりも学生という生身の人間を相手にする方を選択した。遊ぶ中には中学時代から続けてきた陸上競技の継続もあった。学長時代に学生がインタビューに来て「先生の学生生活はどうでしたか?」と聞かれ、「卒業は陸上競技部で、課外活動で工学部に所属していたよ」と答えたらその学生は理解できなかったようだ。

助手をして3年ほどして同期が博士号を取得した頃から、自分も博士号を取らなければと、意識を研究にシフトした。博士号を持つ持たないで給与が違ったことを知ったからである。それが私の研究者の道の本当のスタートであろう。しかし真面目に自己の知的好奇心の追求というよりも博士号を取ることが目標であり、今思うとテーマは何でもよかったかもしれない。論文博士には査読付き論文8編以上が必要と教えられた。

その研究テーマであるが、テーマは指導教員から修士研究で与えられた「フレッティング摩耗」の継続である。与えた教授もフレッティングについて未知だった。教授は論文誌で見ただけで、それがどんなものかほとんど理解していなかったので具体的指示はなく、研究の詳細は文献を読みながら自分で決めた。逆に言えば、指導教員の縛りもなく自由であった。

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