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2026/2 Vol.129

装置製作:高山芳の
(多摩美術大学大学院美術研究科デザイン専攻 統合デザイン領域 在籍)
金属・磁石・モーターなどの単純なメカニズムを用いた装置は、重力や摩擦を受け入れながら、ある行為を繰り返します。その姿は、私たちが呼吸し、脈を打ちながら生きていることを思い出させます。本誌では、学部の卒業制作である 10 体の装置〈脈拍〉を中心に、全 12 体の作品を紹介します。

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特集 水素社会の光と影

水素製鉄に向けた鉄鋼業の取組み

樋口 謙一〔日本製鉄(株)〕

はじめに

この15年間で、地球環境問題に関する動向が活発化した。1992年の「国連気候変動枠組条約」採択以降、締約国会議(COP)が定期的に開催されている。2015年に合意されたパリ協定では、「産業革命期からの平均気温上昇幅を2℃未満とし、1.5℃に抑えるよう努力する」 ことが共有化され、1.5℃に抑えるためには2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする必要があると示された。これを受けて、2050年カーボンニュートラルが2019年に欧州で、2020年には日本でも宣言された。日本の鉄鋼業は、石炭を還元材および熱源として利用して鉄を生産しているため、2023年度時点で日本のCO2排出量の13%も占めている(1)。よって、鉄鋼業のCO2削減対策が不可欠だが、日本の鉄鋼業の一次エネルギー効率は既に世界最高水準にあり、理論上高炉の還元材比を現状以上に低減することは困難である。すなわち、既存技術の延長では鉄鋼業の大幅なCO2排出削減は期待できない。一方、鉄鉱石からの鉄鋼生産は、鉄鋼需給バランス上、今後も長期的に必要と予測される。したがって、鉄鉱石の還元・溶解プロセスにおける革新的なCO2削減技術の開発が必要である。図1に日本鉄鋼業のエネルギー起源のCO2排出量の推移を示す。2023年度で鉄鋼業の排出CO2量は23.7%削減(対2013年)されており、2030年目標の30%に対して進捗率は79%であるが(1)、その要因のほとんどは、減産によるものである。

図1 日本鉄鋼業のCO2排出量の推移(1)

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