日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第23号

「旧筑後川橋梁」
(筑後川昇開橋)

 九州最大の河川筑後川の河口付近に架橋された「筑後川昇開橋」は、1935(昭和10)年に開通した旧国鉄佐賀線(佐賀〜瀬高問・24.1km)の鉄橋である。全長507.2mのこの鉄橋は、建設された当時からその規模は国内においては他に類を見ない大きさであり、現存する国内最古の昇開式鉄橋で建設当時から東洋一の規模を誇るものであった。中央部分にある長さ24mの可動桁は、48tの重量があり桁の左右にある高さ30mの吊上塔(鉄塔)には4本のガイドレールが走り、この上で滑車が回り機械室内の巻上装置を介してワイヤで23mの高さまで引き上げることができる。
 昇開橋の周辺は有数の河川港として栄えたところであり、800t級の大型船舶の航行に対応可能な水陸両用の大規模な鉄橋であった。
 1987(昭和62)年に旧国鉄佐賀線が廃止されたが、1996(平成8)年には線路部分が撤去され、新しく遊歩道として整備され今目に至っているが、今なお、中央部の可動桁は当時のまま昇降を続けている。2003(平成15)年には、貴重な近代産業遺産として国の重要文化財に指定されている。

《写真提供:財団法人 筑後川昇開橋観光財団》

公 開

福岡県大川市大字向島地先
佐賀県佐賀市諸富町大字為重地先

開門時間:
9:00~17:00
利用料:
無料
利用できない日:
毎週月曜日。
ただし月曜日が祝祭日のときは次の日が休業日
住  所:
福岡県大川市大字向島地先
佐賀県佐賀市諸富町大字為重地先
電話番号:
0944-87-9919
(財団法人 筑後川昇開橋観光財団)
交通機関:
西鉄柳川駅下車、佐賀駅行きバス(大川橋下車10分)
JR佐賀駅下車、柳川行バス(諸富橋下車10分)

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