日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第46号

岡谷蚕糸博物館の繰糸機群
(フランス式繰糸機、諏訪式繰糸機、4条繰り諏訪式繰糸機、6条繰り諏訪式繰糸機、イタリア式繰糸機、御法川式多条繰糸機、織田式多条繰糸機、増澤式多条繰糸機)

 岡谷蚕糸(さんし)博物館には明治初期のフランス式繰糸機、諏訪式繰糸機など8台の製糸機械が保存されている。
 フランス式繰糸(そうし)機は、1872(明治5)年に操業を開始した官営富岡製糸場で使われていたもので、全300台(釜)の内の2台(No.151、152)であり、お雇い外国人のポール・ブリューナがフランスから輸入したもので、現存最古の製糸機械である。
 諏訪式繰糸機は、諏訪郡平野村(現岡谷市)の中山社の武居代次郎らが1882(明治15)年頃にフランス式とイタリア式の技術を融合し開発したものである。この繰糸機は、明治期に全国に普及し、その過程で緒数(糸口)を増やすなど生産性を高める改良が加えられた。
 この博物館には、さらに生産性を高めるために昭和に入り開発された御法川(みのりかわ)式、織田式、増澤式の3台の多条式繰糸機も保存されている。
 これらは、明治以降の日本の近代産業の発展に大きく貢献した機械であり、製糸技術の遺産である。

《写真提供:市立岡谷蚕糸博物館》

公開

岡谷蚕糸博物館 -シルクファクトおかや-

開館時間:
9:00~17:00
利用料:
大人500円 中高生300円 子供150円
利用できない日:
毎週水曜日、祝日の翌日、
12月29日~1月3日、その他臨時休館あり
住  所:
〒394-0021 
長野県岡谷市郷田1-4-8
電話番号:
0266-23-3489
HPアドレス:
http://silkfact.jp/
交通機関:
JR中央線岡谷駅下車、徒歩25分
長野自動車道岡谷ICから車で5分
※右記の地図は移転前の情報です。現在の情報は岡谷蚕糸博物館HPのアクセスにてご確認下さい。

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