日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第64号

「清水港テルファー」
―日本の貨物輸送を支えた港湾機械―

 テルファーとは荷物を吊り上げて水平レールに沿って移動させるクレーンの一種である。清水港テルファーは1928(昭和3)年に完成し、テルファー形式の木材荷揚げ機械としては現存唯一のものである。ここで認定するものは、テルファーのレールを懸架する鋼トラス構造物とその敷地を含んでいる。
 明電舎製の電動機を用いた捲揚装置(トロリ)と運転手室は東京瓦斯電気工業製の「トカコ電動ホヰスト」で定格容量2トン、施工工事は神戸の内外エレベータ会社が行い、その後に定格容量3トンのものに交換されて、1971(昭和46)年まで使用された。8.4mの高さに架設された総延長189.4mのレールに沿って、運転手室付きのトロリが走行する。現在保存されている2台のトロリは容量3トンのものであるが、運転手室は残っていない。
 清水港テルファーは木材を陸揚げする効率を飛躍的に向上させ、清水港が国内最大の木材陸揚げ港として発展することに大きく貢献した。テルファーは現在も各地に存在するが、清水港テルファーは、ショッピングモールに隣接した公園にあり、港を含めた景観の一部となっている。市民に親しまれている大型機械として貴重な存在である。

《写真提供:静岡県清水港管理局》

公 開

清水マリンパーク

開館時間:
随時
利用料:
無料
利用できない日:
なし
住  所:
〒424-0824 
静岡県静岡市清水区新港町7番地7(清水マリンパーク内)
電話番号:
054-353-2203(静岡県清水港管理局)
HPアドレス:
https://www.portofshimizu.com/
交通機関:
JR清水駅または静岡鉄道新清水駅からバス三保山の手線「波止場・フェルケール博物館」バス停下車徒歩3分

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