日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第69号

国産機械製造の礎『国産機械図集』

 昭和初期は、国産機械も外国製機械に劣ることのない優良な機械が製造されていたにもかかわらず外国製機械が重用され、教育界も外国製機械の図面を教授用に使用していた。
 日本機械学会の学術図書『國産機械圖集』は‘国産品に対する正確なる知識を一般技術者に周知し、国産愛用の念を起さしめ国産愛用促進につなげること及び機械工学教授上の参考図となること’を目的に出版された。
 内容は機械工学全般の機械を、外国製品に優る国産品であることを図解的に示した参考図16分野(測定機、蒸気罐、蒸気機関、蒸気タービン、内燃機、自動車、鉄道車輌、水車、ポンプ、送風機、圧縮機、冷凍機、工作機械、クレーン、運搬機、紡織機の288枚「初版」)が収録されている。
 自動車の分野には国産標準自動車の項目があり、ガソリン機関、変速機およびクラッチ、推進軸装置、前後車輪軸および後車軸歯車装置、舵取り装置、台枠および担(にない)バネ装置、油圧制御装置、機械制御装置、放熱器、車台の図面など、機械工学を志す学生にとって貴重な教材であった。
 1932(昭和7)年初版、1937(昭和12)年に改訂版を発行し、土木礦山機械、化学および雑機械の項目が加わり、当時の機械工学分野の優良国産機械が網羅された。その後も版を重ね、国内技術者の座右の書になり、わが国工業界・教育界の進歩発展に多大な貢献を果した。

《写真提供:日本機械学会》

公 開

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