日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第78号

スバル360-K111型

 1955(昭和30)年、通産省は国民車構想を発表した。それに呼応する形でスバル360は、1958(昭和33)年に販売が開始され、日本独自の自動車規格‘軽自動車’(全長3m以下、全幅1.3m以下、搭載エンジンの排気量は360cc以下)の最初のヒット作となった。本機は、最初に製造された60台(通称デメキン)の1台である。群馬県太田市の(株)SUBARU 群馬製作所 スバルビジターセンターにモックアップ(実物大石こう模型)とともに保存されている。
 戦後の混乱の中、自家用車が夢の時代に低価格の乗用車の普及を目指し、旧中島飛行機(現(株)SUBARU)の技術者たちによって「スバル360」が開発された。
 本機は、大人4人乗車可能、路線バスの通る道はすべて走行可能という設計思想であった。軽量でありながら強度を保つため航空技術を応用したモノコックボディ、車内スペースを増加させるためのトーションバーの採用などで最高速度も83km/hを可能にした。最終的には36.5万円の価格となり、1970(昭和45)年、生産終了までの累計生産台数は39万台余に達した。斬新なスタイルから「てんとう虫」というニックネームも生まれ、親しまれる大ヒット車種となった。

《写真提供:スバルビジターセンター》

公開(事前予約)

株式会社SUBARU 群馬製作所
スバルビジターセンター

開館時間:
8:30~17:00
利用料:
無料
利用できない日:
HP参照
住  所:
〒373-0822 
群馬県太田市庄屋町1-1
問合せ先:
0276-48-3101
HPアドレス:
https://www.subaru.co.jp/csr/factory-tour/
交通機関:
東武伊勢崎線太田駅からタクシーで約20分

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