日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第104号

機械式無段変速機/リングコーンRC型

 無段変速機は、流体式・電気式・機械式の3種に大別される。1952(昭和27)年にシンポ工業(株)の柏原学により発明されたリングコーン(RC)型変速機は、機械式無段変速機のひとつで、平行に配置された1対のコーン型伝動車(原動車、従動車)の外側に伝動リングをはめ込み、伝動リングを回転させながら軸方向に移動させることで変速させる方式のものである。このRC型変速機は、潤滑油膜を介して非接触で動力を伝達し(トラクションドライブ)、摩耗を生じない。部品点数がきわめて少なく、簡単な構造であり、比較的小型で所要伝達動力が得られ、安価である。また、負荷の増減にともない、伝動リングの回転方向への食い込み量が変化し、負荷に応じた有効な圧接力が自動的に摩擦伝動面に与えられ、すべりが起きず、回転変動率が2~3%ときわめて低いことが特長である。
 本機RC-0.5型(伝達動力0.5馬力、変速比2.0~0.5)は1952年製で、山村硝子(株)(当時)のガラスビンの印刷機構用の無段変速機として使われた。
 RC型は各種の作業機械、ベルトコンベヤ、紡績機械、工作機械に広く使われ、現在のRX型無段変速機や車輪駆動用をはじめとしたトラクションドライブ減速機に継承されている。

《写真提供:日本電産シンポ株式会社》

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