第16期[2009年度]関東支部・支部長挨拶

支部のイベントに参加して世界を広げよう

第16期 関東支部・支部長 荏原製作所  後 藤 彰

写真:後藤 彰 支部長3月6日に茨城大学で開催された関東支部総会で、第16期の支部長に就任しました。私自身、民間企業の研究所で23年間を過ごし、その後、事業体の開発部門に所属していることから、市民目線で社会に貢献する支部であると同時に、産業界にとっても近い存在の支部でありたいと思っています。

支部における活動

関東支部では、「機械の日」関連の企画など、年間約60件もの各種イベントを実施し、参加者数もここ5年間で倍増して2万人に達しています。第15期の支部本体では、「地球環境を考える」シンポジウムを開催し、また、学生の工学離れへの対策として、「中高生の理科教育ワーキンググループ」を立ち上げました。
このように、機械工学全体の大切さや面白さを地域社会に向けて発信することは支部の大切な役割であり、16期も継承し活性化していきたいと考えています。

機械技術者のための学会

日本機械学会は「機械技術者のための学会」として、今から110年以上前に設立されました。しかしながら、私が所属する流体工学部門の例を取りますと、部門最大のイベントである部門講演会への企業会員の参加は部門登録者(第一位から第三位まで)の1%にも満たない状況です。また茨城大学での支部総会講演会への企業会員の参加は、参加登録者の約9%でした。機械学会会員の約65%は企業会員ですので、「機械技術者のための学会」としては、これはかなり異常な事態と考えます。関東支部には機械学会会員の約40%にあたる1万5000人強が所属しています。また、関東地方には、全国製造業の約44%が集中していることからも、その役割の重要性が再認識できますが、支部の活動はあまり身近に感じられないという産業界の声も小さくありません。

社会を支える機械工学

私たちの身の回りを見渡せば、ありとあらゆる人工物は機械工学で作り出されたものと言っても過言ではないと思います。人口・環境・食料・エネルギ・資源などの地球規模での難題が山積する中、基幹技術としての機械工学が果たすべき役割も大きく、機械学会とそこに所属する大学会員や企業会員が担うべき使命も大変大きなものであると考えます。

終わりに

「世界を見回せば未来が見える」と言われます。会員が所属するコミュニティとは一味違った、幅広い視点で企画された支部のイベントに参加いただき、外の世界と接する事で新たな価値作りにつながればと思います。産業界にとっての機械学会の魅力を如何に高め、企業会員のアクティビティを如何に高めていくかは、学会自体のあり方が問われる大きな課題であると思います。特効薬はありませんが、幸い、関東支部は8都県のブロックで構成・運営されており、各ブロックで特徴ある企画や広報活動が実行されています。これらのブロック間の情報交換を促進することなどで支部のアクティビティを高め、多くの皆さんにとって魅力ある学会としていきたいと考えておりますので、ご協力をよろしくお願いいたします。

歴代支部長挨拶