「研究分科会活動報告」
P-SC290 形状記憶合金の強度と破壊に関する調査研究分科会
幹事
佐久間俊雄(電力中央研究所)
形状記憶合金は,相変態に伴う形状記憶硬化や超弾性特性を有する他に例を見ない特殊な合金であり,その特性を利用した様々な機器が開発されているとともに,幅広い分野への応用が期待されています.本分科会は,形状記憶合金の変形挙動や疲労寿命等の特性評価,製造・加工技術および応用技術などを中心に,工学的な応用を幅広く研究調査することを目的に,平成9年5月に発足しました.大学,研究機関,素材メーカおよびユーザーなど30名を超える委員で構成され,研究報告を主に,文献紹介,設備見学等を適宜織り込み,年4回の分科会+懇親会を行なっています.また,学会講演会におけるOS等の企画を積極的に進めています.本分科会はきわめてオープンですので,幅広い分野の方々のご参加を歓迎いたします.
P-SC304 数値的破面解析法に関する研究分科会
幹事 山内 雅文(三菱重工業) 主査:村上 (九大,
TEL:092-642-3380), 幹事:石井 (静岡大, TEL:053-478-1025), 山内 (三菱重工, TEL : 095-834
-2121)
近年AFM等三次元形状が精度良く計測できる装置が開発され,破面形状の測定結果から損傷形態や応力の定量的推定が試みられている.破面形状を計測しそれを数値化して損傷形態や荷重状態と関連付けるためには,従来の「定性的破面解析」に加えて,「材料」,「強度」,「形状計測」,「数値処理(信号処理)」等の知識の統合が必要であります.本分科会では,新らしい「数値的破面解析法」の研究展開および確立を目的として,以下の調査研究を行っています.
(1) 破面形状の実験的計測法に関する調査 (2) 破面形状データの数値処理法に関する調査 (3) 破面形状の数値特性に関する調査 (4)
現状の定性的破面解析法に関する調査
A-TS03-10 内部構造を考慮した材料非線形問題研究会
活動報告
主査 金子堅司(東京理科大学)
本研究会は1995年10月設置され,80余名の委員による研究交流・情報交換を通じて構造材料のミクロな組織構造とマクロな変形・強度特性との関連性にからむ幅広い研究分野での問題点抽出と方向付けなどの検討を行っており,その成果は昨年中間報告書としてまとめている.今期もまた金属学会や鉄鋼協会などの材料工学の分野の研究グループとの交流を活発に行うとともに,機械学会関西支部や計算力学部門あるいは材料学会等の学術講演会においてジョイントオーガナイズドセッションを設定し,活発な討論の場を積極的に提供する.なお,第15回研究会が6月4日東京工業大学80周年記念館で開催される運びとなっている.
A-TS03-11 弾性数理解析法の工学的体系化に関する調査研究会
幹事 大多尾
義弘(大阪府大学)
近年,計算力学と数理解析法との相互補完的関係から,弾性数理解析の重要性が再認識されつつあります.そこで,本研究会では21世紀の先端分野での理論研究に応用可能な解析手法の体系化を図ることを目的に,平成9年4月に設置され,現在,50名を越える委員で構成されています.また活動状況については,日本機械学会講演会の前日を研究会例会の日として定め,これまで例会を4回,打ち合わせ会を1回開催するとともに,当研究会の委員がオーガナイズする国債会議の支援および日本機械学会講演会におけるOS等の企画を積極的に進めています.
A-T03-12 ハイブリッド表面改質による機能性発現と信頼性評価に関する研究会
主査 鈴木
秀人(茨城大学)
本研究会では,大型構造物から電子部品に至る広い分野における「表面機能発現技術による高付加価値製品開発」をテーマに掲げ,その問題解決と発展のための工学的手法の確立を目指しております.委員も機械系をはじめ様々な分野の専門家にご参加いただいており,自由・闊達な活動の場の提供に加え,表面改質に関する最先端技術を現場で役立て得ることに資する研究交流の場とすることを目的としております.特に,調査研究テーマとして「メゾ構造皮膜により革新的な高機能化を創発する調査研究」,「表面改質のノウハウの情報化と製品化」などがあげられております.
A-TS03-13強度と破壊評価技術の高度化に関する研究会
主査
酒井信介(東京大学)
本研究会では,材料強度,破壊評価技術ということを主たる内容としてテーマを設定していますが,幅広い観点からテーマ設定を行っています.破壊力学の最近の進展から,計算力学,確率論的取り扱い,ミクロ強度の取り扱い,測定技術,設計や保全なども含まれます.また,国際協力事業団に参加したときの経験談をもとに,開発途上国の大学の現状についてご報告いただいたこともあります.教育についても主要なテーマの一つと考えており,本年度4月に開催された「ウィングを拡げよう材料力学シンポジウム」において,企画されたセッション「教育問題」は,本研究会が支持母体となったものです.今後とも,本研究会は材料強度に関心のある方々の交流の場として活性化していきたいと考えています.
A-TS03-14 実験力学先端技術研究会
主査 森本
吉春(和歌山大学)
材料の応力・ひずみ・変形・形状・強度・破壊などに関する計測・解析手法・データ処理等を主題とした研究討論会(年4回程度)を開催している.また,国の内外の情報の提供,会員相互の情報交換の円滑化を図るためにメーリングリストおよびホームページ
(www-lesm.me.aoyama.
ac.jp/TS-ATEM/)
を作成し,メンバーの利用に供している.メンバーからは年2,000円の会費を徴収している.メンバー以外も登録すればネット会員として無料で情報を受けとることができる.また,実験力学に関する国際会議への会員の出席を通じて国際交流にも努めている.昨年8月24
〜 28日オックスフォードで開催された11th Interna- tional Conference on Experimental
Mechanicsには本研究会の多数のメンバーが出席した.なお,本研究会メンバーが中心となって,本年7月21日(水) 〜
24日(土)に宇部全日空ホテルで実験力学先端技術国際会議'99が開催される.世界15ヶ国から160名程度の参加者が予定され,最新の実験力学に関する討論が期待されている.
A-TS03-15 エネルギー機器及び材料の健全性評価・向上研究会
主査 安藤
柱(横浜国立大学)
エネルギ−関連機器は,その内部に膨大なエネルギ−を蓄積しているために,公衆災害防止の観点から,極めて高い安全性が要求されます.また,省資源及び環境問題の見地から,高性能が要求されています.この相反する要求に応えるためには,多くの課題が残されているようです.その具体的な例としては,耐震裕度評価技術の確立,高経年化対策,寿命予測技術の高精度化,プラント維持基準の構築等があります.また,最近の話題としては,亀裂治癒能力を有する材料の開発と特性評価などがあります.本研究会では,上記の課題に対して,耐震工学,構造工学,材料力学,材料工学,破壊力学等を専門とする広い範囲の研究者及び技術者が出席し,情報交換,討論及び交流を深めています.異分野の方々との交流は,とても有意義で,しかも面白いです.ご興味のあれらる方は,是非ご参加下さい.
A-T03-16 材料と構造の高度知能化と機能化に関する研究会
主査 影山
和郎(東京大学)
材料や構造に光ファイバ等のセンサあるいは圧電素子等のイフェクタを組み込み,外部の環境の変化あるいは材料の損傷や破壊を検知し,それに対して自らを能動的に適用していく材料構造システム,すなわち知的材料・構造の開発を通して,材料と構造の高度知能化と機能化を図ることを目的に設立された研究会である.このような材料・構造に対するインテリジェント化,スマート化のアプローチは,機械工学に限らず,土木工学,航空工学,船舶工学の分野でも広く認知さされるようになった.知的材料・構造に関する研究は,大学での基礎研究に限らず,企業でも実用化を視野に入れた研究開発も盛んになりつつあり,また通商産業省等のプロジェクトなど,産官学の連携の下に,より高度化した研究開発の推進が望まれるところでありましょう.本研究会では,科学技術振興に果
たすべき学会の立場から,当該研究分野のより一層の発展に寄与することを目的に,研究会の開催を中心とした調査研究活動を行っております.
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