材料力学部門への登録会員数は5月現在で,第1登録が3,144名,第2登録が1,827 名となっており,第1,第2登録を合せますと,流体工学部門,熱工学部門に次いで第3位という状況にあります.全国の大学や公立研究機関おける強度関係の研究者は流体工学部門の研究者と数の上では遜色ないのではないかと思います.一方,企業における材料力学関係の研究者は流体関係の研究者よりもかなり多いと思います.設計部門で見ますと,機械構造物の製品としての成立性を考えますと構造強度信頼性が最終的に最も重要ですので,強度に関わる設計者は非常に多いと思います.ところが,設計者の場合には研究者ではないので,機械学会の会員であれば十分で,部門に登録する必要はないと考えている人が大半ではないかと思います.登録されないのは登録するメリットを感じて居られないからだと思います.研究者の場合には材料力学講演会等で講演したり,分科会や研究会に参加することなどにより研究水準を上げる,或いは,より積極的には自説に基づいて研究会等をリードすることで学会内での存在感を高めるということが考えられます.しかし,設計者の場合には概して講演会で発表されることはあっても,分科会や研究会に参加されることはすくないため,登録するメリットを感じて居られないのではないでしょうか.これからの製品開発を考えると,より先進的な,より先端的な技術を織り込んだ製品でないと世界市場では勝てないと思います.そういう意味では開発を研究者に任せ放しではなく,研究者と一体になった開発,或いは,研究者をリードした開発が必要になって来ますし,先行開発することで,その製品をデファクトにして先行開発者利益を享受することも必要でしょう.そうなると設計者といえども開発技術,開発製品を学会の場で積極的にPRすることが重要となりますので,材力部門に登録して頂いて,材力講演会で講演するだけでなく,分科会や研究会の場を活用して頂くことが非常に意義があるのではないかと思います.そういう意味で設計者の会員の方々にも材力部門へ登録して頂いて,部門を活用して頂ければと思います.
All Rights Reserved, Copyright (C) 2002,
The Japan Society of Mechanical Engineers,
Materials and Mechanics Division