一般社団法人 The Japan Society of Mechanical Engineers

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RC-D14

1. 分科会名称  『試作レス実現のための振動・騒音CAE技術の高度化に関する研究分科会』
2. 主査名  鞍谷 文保 (福井大学)
3. 設置期間  2012年4月~2014年3月(2年間)
4. 活動目的・内容 製造業が生き残るためには,製品開発の時間・コストの低減が急務であり,そのために試作レスの実現が求められている.そのような状況の中,振動・騒音の低減設計においても,数値シミュレーションの活用による試作レス化が試みられている.しかし,現状のシミュレーション技術では,試作レスを実現するには十分とはいえない.その原因として,有限要素法などのシミュレーションツールは確定的な解析であるので,モデルの不確定性や運転条件,組立・加工のばらつきが考慮できないことがある.不確定性やばらつきの考慮は,シミュレーションツールそのものの機能ではなく,シミュレーションツール利用技術として,別途確立すべき課題である.また,試作レスの実現のためには,シミュレーション技術の高度化だけでなく,運転条件や組立・加工のばらつきの影響を受けにくい構造を設計するためのCAE技術が必要となる.
本研究分科会では,振動・騒音の低減設計における試作レス実現のための振動・騒音CAE技術の高度化を目指す.すなわち,振動・騒音問題における解析モデルの不確定性,運転条件や組立・加工などに起因する解析入力条件のばらつきの明確化およびそれらが解析結果に及ぼす影響の定量化を行う.さらに,試作レスを実現するために必要なばらつきの影響を受けにくい構造設計技術の確立を目指す.
本研究分科会の研究内容として,製造条件・加工条件などのばらつきが振動・騒音状態のゆらぎに及ぼす影響があり,この研究は産業界の協力なくしては推進することが困難である.多くの企業にご参加いただき,協同で研究を進める必要がある.
5. 期待される研究成果 ・振動・騒音問題における解析モデルの不確定性,運転条件や組立・加工などに起因する解析入力条件のばらつきの明確化およびそれらが解析結果に及ぼす影響の定量化が可能になる.
・試作レスを実現するために必要なばらつきの影響を受けにくい構造設計技術の確立が期待できる.
・製品固有の問題から共通な支配因子を抽出して現象を解明し,学問的な発展を図るとともに,いろいろな製品に役立つ普遍的な技術とする.
・従来,各企業や技術者単位で進められていた研究を,本研究分科会で組織的・体系的に進めることで,企業全体の技術水準向上に寄与できる.
・振動・騒音シミュレーション技術としてモード解析を基礎とし,モデル化の不確定性として各種の非線形性も検討する.その結果として,振動・騒音問題におけるモード解析と非線形解析のコラボレーションが可能となる.
・試作レス実現のためには解決すべき研究課題は多い.課題解決においては,従来の振動・騒音シミュレーション技術だけでは不十分であり,新たな研究分野の創設につながる.
・企業側エンジニアにとっては,本分科会に参加することで,学術研究に対する深い理解を得る契機となる.
6. 参加負担金  10万円(年間)×2年
7. 問合せ先 鞍谷 文保 福井大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 教授
TEL: 0776-27-8538, FAX: 0776-27-8538, e-mail: kuratani@mech.u-fukui.ac.jp
住所: 〒910-8507 福井市文京3-9-1