一般社団法人 The Japan Society of Mechanical Engineers

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RC171

1.分科会名称

(社)日本機械学会 研究開発推進センター(設立準備室)

『PCクラスタによる超並列CAEシステムの開発に関する研究分科会』
2.主査名

矢川元基 (東京大学大学院工学系研究科)
3.設置期間

1999年5月~2001年4月
4.活動目的・内容

近年,大規模な計算力学の研究が活発に行われている。これらには複雑な現象の解明への要求,設計の高度化など計算への実需と,コンピュータ
ハードウェアの急速な進歩による計算能力の向上の,2つの背景があるであろう。ピーク性能を目指す構造解析の研究例では,1000万自由度の弾塑性
解析,1億自由度の弾性解析の結果などがすでに得られている。しかしながら,実用的CAEシステムに関しては,並列化の試みは多いにもかかわらず,
必ずしも成功しているとはいえない。東京大学,九州大学,九州工業大学,筑波大学などでは,かねてよりこの方面の研究に取り組んでおり,目に見え
る成果も出つつある。たとえば,東京大学の研究例では,130万自由度原子炉炉心構造物モデルの弾性解析が533MHzアルファチップ搭載PC 2台のク
ラスタで110分,12台のクラスタで20分のパフォーマンスを得ている。
本研究分科会ではこれまでの知識,技術をもとに設計現場で使える実用的構造解析・CAEシステムを開発し,日本の製造業のインフラの構築に貢献
することを目標とする。本CAEシステムは以下の機能の達成を目指す。
(1) きわめて高いスケーラビリティを実現する超並列処理による大規模解析
(2) ネットワークで接続されたPCクラスタ上で稼動
(3) 参加企業の声にしたがって弾塑性・クリープ解析,大変形解析,動解析,固有値解析などをカバー
(4) 使いやすいメッシュジェネレータと可視化システム
(5) 多様なCADモデラに対応
本研究分科会の運営においては,これまでの研究成果・知見の参加企業へのフィードバック,参加企業からのニーズを反映することによるシステムのブ
ラッシュアップ,本システムの参加企業への頒布などを行う。
本ソフトウェアへのニーズは,参加企業はもとより,数多いと思われる。一般に,ソフトウェアの普及は,開発された後の機能強化やメインテナンスの継続
などによって左右されよう。本ソフトウェアも本研究分科会で得られた知識などをもとに,さらに機能の補強やGUIを整備するなどして商用ソフトウェアに発展
させる計画である。
5.参加負担金額(年間)

30 万円
6.問合せ先

分科会主査 矢川元基 (東京大学大学院工学系研究科)
TEL 03-3812-2111 (内線 6993) FAX 03-5684-3265
E-mail yagawa@q.t.u-tokyo.ac.jp