RC179
1.分科会名称
(社)日本機械学会 研究開発推進センター(設立準備室)
『 ITSと人間の協調に関する研究分科会』
2.主査名
津川定之 (機械技術研究所)
3.設置期間
2000年4月~2002年3月
4.活動目的・内容
ITS(Intelligent Transport Systems,高度道路交通システム)は,自動車交通がもつ事故,渋滞,環境汚染,エネルギー消費という深刻な問題を
解決するため�に,エレクトロニクス,情報通信,センシング,制御などの技術を用いて自動車交通を知能化,情報化するシステムである.欧米日の先
進国だけでなく,韓国や中�国,マレーシヤなど,アジア各国でも,ITSに関する大規模な国家プロジェクトが進行している.わが国では,ITSは,2015年
までに累積で60兆円規模の産業になる�と見込まれている.
ITSには,信号制御システム,ナビゲーションシステム,有料道路料金自動収受システム,運転支援・警告システム,自動運転システムなどが含
まれる.これら�のシステムにおいて,システムと人間とのインタフェースやシステムと人間と協調は,ITS関連システムの設計や運用に対し重要となる.
信号制御システムに関し�ては,黄色信号に遭遇したドライバが,交差点を通過すべきか停止すべきか判断に迷う現象がよく知られており,この判断の
難しさが事故の間接的原因となること�がある.また,ナビゲーションシステムや自動車電話が事故の原因となる指摘がある.さらに,車線逸脱警報時
の警報と自動運転への遷移に関する研究や自動�運転システムにおける乗り心地に関する研究など自動運転システムにおけるシステムとドライバの
協調に関する研究は,まだごく少数存在するだけであるが,ハ�イテク旅客機の事故から敷衍すると,自動運転システムとドライバの間の制御の遷移は
重要な問題となることが予想される.本研究分科会は,ITSが社会に普及�し効果をあげるために,このようなITS関連システムとドライバ(人間)の間の
協調について研究することを目的とする.
本研究分科会では,ITSに対するドライバの関わり方について情報収集・提供,ならびに基礎研究を行う.具体的には,まず,文献調査や専門家から
のヒアリング�によって,ITSと人間の協調の調査を行い,次にテストコースにおいて実験車を用いて自動運転に関連したヒューマンファクタの実験を行う.
車線逸脱警報などの運�転支援システムから自動運転システムへの切換など,自動運転システムにおけるドライバと機械との間の制御の遷移の方法の
実験を現有の設備を用いて行う.
研究活動の概要は以下のとおり.
<第1年度>
1.ITSと人間(ドライバ)の協調に関する文献調査
2.ITSと人間(ドライバ)の協調に関する専門家へのヒアリング
3.自動運転関連のデモ(2000年12月予定)調査
<第2年度>
1.ITSと人間(ドライバ)の協調に関する文献調査(継続)
2.ITSと人間(ドライバ)の協調に関する専門家へのヒアリング(継続)
3.テストコースにおける実験
4.自�動運転関連の実車実験(2001年12月予定)調査
5.参加負担金額(年間)
50万円
6.問合せ先
津川定之
工業技術院機械技術研究所物理情報部知識工学研究室
〒305-8564 つくば市並木1-2
電話:0298-61-7056
FAX:0298-61-7091
E-mail:tsugawa@mel.go.jp